第79巻第4号(2015年3月)


論文
   
変わりゆく感覚—沖縄における養豚の専業化と豚肉市場での売買を通じて 比嘉 理麻 357
大量死の意味をめぐるローカルな知の生成と実践—済州4・3事件の民間人死者および行方不明者にまつわる父系出自集団の記録をめぐって 高 誠晩 378
経済取引における「賭け」と「フレンドシップ」—カトマンズの観光市場、タメルにおける宝飾商人の事例から 渡部 瑞希 397

研究展望
   
世俗主義批判の射程—イスラーム復興に関する人類学の最前線 谷 憲一 417

資料と通信
   
エボラ熱流行への人類学の対応—アメリカとイギリスの人類学者の取組み 杉田 映理 429
民族生物学会第14回国際学術会議報告(於ブータン) 金子 守恵 433
「イメージの力—国立民族学博物館コレクションにさぐる」展—国立新美術館と民博、そして日本文化人類学会との協働の試み 吉田 憲司 439
公開シンポジウム「アートと人類学—いまアートの普遍性を問う」 春日 直樹 444
公開シンポジウム「人類学の明日、人類学との明日—『いま・ここ』から考える」 木村 周平・他 447
人類学会世界協議会(WCAA)10年が経って グリスタ・L・ヒベイロ 451
これからの日本の文化人類学と世界 ゴードン・マシューズ 455
日本文化人類学会50周年記念国際研究大会(IUAES 2014 with JASCA)と世界の人類学 小泉 潤二 460

特別寄稿
   
特別寄稿への序 太田 好信 467
ある危機からの構築にむけて—「21世紀の日本文化人類学会の国際化とグローバル化」に関する問題提起 関根 康正 469

書評
   
高倉浩樹・滝澤克彦編『無形民俗文化財が被災するということ—東日本大震災と宮城県沿岸部地域社会の民俗誌』 飯田 卓 480
菅豊著『「新しい野の学問」の時代へ——知識生産と社会実践をつなぐために』 床呂 郁哉 482
宮西香穂里著『沖縄軍人妻の研究』 上杉 妙子 485
門田岳久著『巡礼ツーリズムの民族誌—消費される宗教経験』 早川 和哉 488
山口未花子著『ヘラジカの贈り物—北方狩猟民カスカと動物の自然誌』 石倉 敏明 492
岸上伸啓著『クジラとともに生きる—アラスカ先住民の現在』 浜口 尚 495


第79巻第3号(2014年12月)


論文
   
農業協同組合幹部の「つながり」から生起する公共性—ラオス人民民主共和国のコーヒー農業協同組合の事例から 箕曲 在弘 219
北インド・チベット系社会における選挙と親族—スピティ渓谷における親族関係ニリンの事例から 中屋敷 千尋 241
子ども/大人であることをする—マリンケにおける教育の場の制度化について 今中 亮介 264
シンガポールの寺廟祭祀における主席・道士・童■ 福浦 厚子 285
衣装がつなぐ母娘の「共感的」関係—中国貴州省のミャオ族における実家・婚家間の移動とその変容 佐藤 若菜 305

書評
   
西井凉子編『人はみなフィールドワーカーである—人文学のフィールドワークのおすすめ』 平田 晶子 328
柄木田康之・須藤健一編『オセアニアと公共圏—フィールドワークからみた重層性』 田中 正隆 332
志賀市子著『〈神〉と〈鬼〉の間—中国東南部における無縁死者の埋葬と祭祀』 川口 幸大 335
宮永國子『英対話力—コミュニケーションで出会うあたらしい自分』 四條 真也 339
高倉浩樹・木村敏明監修、とうしんろく(東北大学震災体験記録プロジェクト)編『聞き書き震災体験—東北大学90人が語る3.11』 内尾 太一 343


第79巻第2号(2014年9月)


<特集>「先住民性」再考試論—ローカルな展開と「関係的」理解
序—「先住民性」再考試論 山内 由理子 95
論文
制度の中の「伝統」—アメリカの養子縁組制度における「ハーナイ」の機能に関する一考 四條 真也 104
「出自性」と「関係性」—シドニー南西部郊外における「先住民性」の展開 山内 由理子 124
羊をめぐる展望—グリーンランドの先住民性の構築 林 直孝 143

研究展望
天文と人類学 後藤 明 164

書評
鈴木晋介著『つながりのジャーティヤ—スリランカの民族とカースト』 名和 克郎 179
Oka, Masao "Kulturschichten in Alt-Japan"(2Bde.), herausgegeben und einer Einleitung versehen
von Josef Kreiner
山田 仁史 182
前山隆著『文学の心で人類学を生きる—南北アメリカ生活から帰国まで十六年』 松岡 秀明 184
Nakamura, Mitsuo "The Crescent Arises over the Banyan Tree: A Study of the Muhammadiyah Movement
in a Central Javanese Town, c.1910s-2010" 2nd Enlarged Ed.
多和田 裕司 187
楊海英著『植民地としてのモンゴル—中国の官制ナショナリズムと革命思想』 上水流 久彦 190
瀬川昌久編『近現代中国における民族認識の人類学』 大田 千波留 194

会長就任にあたって
第26期会長 関根 康正 199


第79巻第1号(2014年6月)


論文
   
ウズベキスタンにおけるバザールと生計戦略—カシュカダリヤ州北部、手織り物売買の事例から 宗野 ふもと 1
アジールとしての「日本」—アメリカの大学キャンパスにおけるオリエンタリズムの変容と解体 井上 雅道 25

研究ノート
   
北方樹林の愛鳥家—内陸アラスカにおける動物を殺す/生かすこと 近藤 祉秋 48

書評
   
田辺繁治『精霊の人類学—北タイにおける共同性のポリティクス』 森田 敦郎 61
中田英樹著『トウモロコシの先住民とコーヒーの国民—人類学が書きえなかった「未開」社会』 池田 光穂 63
塚田健一著『アフリカ音楽学の挑戦—伝統と変容の音楽民族誌』 滝 奈々子 66
川橋範子著『妻帯仏教の民族誌—ジェンダー宗教学からのアプローチ』 嶺崎 寛子 70
小田博志・関雄二編『平和の人類学』 佐川 徹 73


第78巻第4号(2014年3月)


論文
   
不可視の世界を畳み込む—固体地球物理学の実践における「観測」と「モデリング」 森下 翔 449
沈黙の共同性—フランスのマヌーシュ共同体における「沈黙の敬意」に関する考察 左地 亮子 470
上座仏教徒社会ミャンマーにおける「出家」の挑戦—贈与をめぐる出家者/在家者関係の動態 藏本 龍介 492

資料と通信
   
日本文化人類学会次世代育成セミナー報告 文化人類学教育委員会次世代育成セミナー実施運営委員会 515

書評
   
フランツ・ボアズ著、前野佳彦編・監訳、磯村尚弘・加野泉・坂本麻裕子・菅原裕子・根本峻瑠訳『北米インディアンの神話文化』 近藤 祉秋 519
平田昌弘著『ユーラシア乳文化論』 尾崎 孝宏 521
Lock, Margaret “The Alzheimer Conundrum: Entanglements of Dementia and Aging” 池田 光穂 525
ジェルメーヌ・ティヨン著、宮治美江子訳『イトコたちの共和国—地中海社会の親族関係と女性の抑圧—』 細井 由香 528
片岡樹・シンジルト・山田仁史共編『アジアの人類学』 山口 裕子 532
中原聖乃著『放射能難民から生活圏の再生へ—マーシャルからフクシマへの伝言』 飯嶋 秀治 535


第78巻第3号(2013年12月)

<第8回日本文化人類学会賞受賞記念論文>
「原野の人生」への長い道のり—フィールドワークはどんな意味で直接経験なのか 菅原 和孝

323


論文

   
「繋ぐ者」の連帯と開かれた交渉の場—現代インドを生きる仏教徒たちの改宗運動 根本 達 345
越境する子どものアイデンティティと「家族」の表象—アメリカ合衆国におけるフィリピン系1.5世代移民の事例から 関 恒樹 367

研究ノート
   
経済自由化以後の現代インド社会を生きる鉄鍛冶業の戦略と共生 齋藤 貴之 399
メディアと交差する日常実践—メルボルンの剣道形と日本武道をめぐる表象 前川 真裕子 412

書評
石垣直著『現代台湾を生きる原住民—ブヌンの土地と権利回復運動の人類学』 山路 勝彦 424
太田好信著『政治的アイデンティティの人類学—21世紀の権力変容と民主化にむけて』 池田 光穂 426
須永和博著『エコツーリズムの民族誌—北タイ山地民カレンの生活世界』 徳安 祐子 430
田中雅一著『癒しとイヤラシ—エロスの文化人類学』 加賀谷 真梨 432
村尾るみこ著『創造するアフリカ農民—紛争国周辺農村を生きる生計戦略』 松本 尚之 435


第78巻第2号(2013年9月)


論文

   
誠実な浮気者—イエメンにおけるカート市場の事例から 大坪 玲子 157
空間をつくりあげる身体—フランスに暮らす移動生活者マヌーシュのキャラヴァン居住と身構えに関する考察 左地(野呂) 亮子 177

<特集>アイデンティティと帰属をめぐるアポリア—理論・継承・歴史
   
太田 好信 198
論文    
ディアスポラの信仰者—在日アフマディーヤ・ムスリムにみるグローバル状況下のアイデンティティ

嶺崎 寛子 204
アーカイヴへの不満—アフリカ系アメリカ人ムスリムにおけるアイデンティティをめぐる闘争

中村 寛 225
アイデンティティ論の歴史化—批判人類学の視点から 太田 好信 245

研究ノート
   
北部準州アボリジニ社会における「先住民」「非先住民」関係の構図—「問題飲酒」に関する人類学的研究の展開 平野 智佳子 265

資料と通信
   
国際人類学民族科学連合中間会議2012報告 飯島 秀治他 287

書評
呉燕和著(日野みどり訳)『ふるさと・フィールド・列車—台湾人類学者の半生記』 沼崎 一郎 284
高倉浩樹著『極北の牧畜民サハ—進化とミクロ適応をめぐるシベリア民族誌』 辛嶋 博善 287
河合利光編著『家族と生命継承—文化人類学的研究の現在』 後藤 晴子 290
風間計博・中野麻衣子・山口裕子・吉田匡興編『共在の論理と倫理—家族・民・まなざしの人類学』 白川 千尋 293
島村一平著『増殖するシャーマン—モンゴル・ブリヤートのシャーマニズムとエスニシティ』 サイジラホ 296


第78巻第1号(2013年6月)

<第7回日本文化人類学会賞受賞記念論文>
現代世界における人類学的実践の困難と可能性 松田 素二

1


論文

   
無文字社会における「歴史」の構造—エチオピア南部ボラナにおける口頭年代史を事例として 大場 千景 26

<特集>災害と人類学—東日本大震災にいかに向き合うか
   
林 勲男・川口 幸大 50

論文

   
津波災害復興における社会秩序の再編—ある高所移転を事例に

木村 周平 57
「放射能が手に届いた気がしたんだ」—原子力災害における<リアリティ>の構成をめぐる人類学的考察

猪瀬 浩平 81

研究ノート

   
東日本大震災の公共人類学事始—宮城県三陸地方における被災地支援の現場から 内尾 太一 99
東日本大震災に関連したフィールドワークを行うこと/それを指導すること—「文化人類学実習」の授業を事例に 川口 幸大・関 美菜子・内藤 照手 111

書評
米山知子『回るアレヴィ—トルコの都市における場とパフォーマンスの人類学』 石川 真作 127
鍋倉聰『シンガポール「多人種主義」の社会学—団地SH会のエスニシティ』 植村 清加 130
諏訪淳一郎『パフォーマンスの音楽人類学』 野澤 豊一 134
奥野克己・山口未花子・近藤祉秋編『人と動物の人類学』 古澤 拓郎 137
合田博子『宮座と当屋の環境人類学—祭祀組織が担う公共性の論理』 金 明美 141
西尾哲夫・堀内正樹・水野信男編『アラブの音文化—グローバル・コミュニケーションへのいざない』 川田 順造 144


第77巻第4号(2013年3月)

論文
生−権力の臨界—アメリカの大学警察を人類学する 井上 雅道

499

「手当て」としての身体診察—総合診療・家庭医療における医師−患者関係 飯田 淳子 523
芸術のエコロジーにむけて—デンマークの障害者美術学校における絵画制作活動を事例に 中谷 和人 544
人権のグローバル化と先住民—ペルーにおける紛争、真実委員会、平和構築 細谷 広美 566

研究ノート
ケアの再構成を通した韓国の家族再考—既婚女性の乳がん患者の事例 澤野 美智子 588

書評
與那覇潤著『中国化する日本—日中「文明の衝突」一千年史』 小熊 誠 601
石田慎一郎編『オルタナティブ・ジャスティス—新しい<法と社会>への批判的考察』 森 正美 604
作道信介著『糞肛門—ケニア・トゥルカナの社会変動と病気』 田所 聖志 607
常田夕美子著『ポストコロニアルを生きる—現代インド女性の行為主体性』 杉本 星子 611
安井眞奈美著『出産・育児の近代—「奈良県風俗誌」を読む』 山口 睦 613
宮沢千尋編『社会変動と宗教の<再選択>—ポスト・コロニアル期の人類学的研究』 中西 裕二 617


第77巻第3号(2012年12月)

論文
ウズベキスタン東部地方都市における聖者崇敬の現在—ムスリム陶工のピール崇敬 菊田 悠 361

<特集>界面に立つ専門家—医療専門家のサファリングの人類学
浮ケ谷 幸代 382
論文
医療専門家のサファリングとその創造性—患者、利用者、依頼人との距離感という困難を越えて 浮ケ谷 幸代 393
医師の役割と苦悩の創出—現代日本総合医の事例から 山上 実紀 414
「ご遺体」は最初の患者である—日本の医学教育における肉眼解剖実習の今日的意義 星野 晋 435

研究ノート
文化をのりこなす—インド南部バンガロールにおけるITワーカーの人類学的分析をめぐる試論 久保 明教 456

書評
長谷有紀・川口幸大・長沼さやか編『中国における社会主義的近代化—宗教・消費・エスニシティ』 尾崎 隆宏 469
金子守恵著『土器つくりの民族誌—エチオピア女性職人の地縁技術』 中村 真里絵 472
佐藤洋一郎監修、原田信男・鞍田崇編『焼畑の環境学—いま焼畑とは』 吉松 久美子 475
小川さやか著『都市を生き抜くための狡知—タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』 関根 康正 478
東賢太朗著『リアリティと他者性の人類学—現代フィリピン地方都市における呪術のフィールドから』 石井 美保 484
白川千尋・川田牧人編『呪術の人類学』 岡本 圭史 488


第77巻第2号(2012年9月)

論文
名の示すもの—ヴァヌアツ・アネイチュム社会における歴史・土地・個人名 福井 栄二郎 203

<特集>社会的排除/包摂の人類学
序—社会的排除/包摂の人類学 内藤 直樹 230
論文
「統治の場」から「生きる場」へ—ボツワナにおけるサンと「先住民」運動 丸山 淳子 250
社会的排除とのつきあい方—日本の児童養護施設における臨床心理学と文化人類学の連携 飯嶋 秀治 273
研究ノート
在日ラオス系定住者の相互扶助の展開過程 岩佐 光広 294
病院を出た精神障害者たちをめぐる社会的包摂 —北海道浦河べてるの家における幻覚妄想体験への対処の事例から 間宮 郁子 306

書評
藤原潤子著 『呪われたナターシャ—現代ロシアにおける呪術の民族誌』 梅屋 潔 319
寺嶋秀明著 『平等論—霊長類と人における社会と平等性の進化』 内堀 基光 322
孫暁剛著 『遊牧と定住の人類学—ケニア・レンディーレ社会の持続と変容』 曽我 亨 325
飯國有佳子著 『現代ビルマにおける宗教的実践とジェンダー』 藏本 龍介 327
植野弘子・三尾裕子編 『台湾における<植民地>経験—日本認識の生成・変容・断絶』 松岡 格 331
高谷紀夫・沼崎一郎編 『つながりの文化人類学』 小池 誠 334


第77巻第1号(2012年6月)

論文
ジャーナリストと生活戦略—民主化以降ベナンにおける人とメディアの関わり 田中 正隆 1

<特集>技術を語る民族誌の新たな地平
序—技術をモノ語る苦難と悦楽 大西 秀之 27
論文
技術人類学の画期としての1993年—フランス技術人類学のシェーン・オペラトワール論再考 後藤 明 41
「交渉」する手指—エチオピア西南部女性土器職人による身体を介した環境との関わり 金子 守恵 60
動作の連鎖・社会的プロセスとしての漁撈技術—ボルネオ島サマによる漁撈活動を中心に 小野 林太郎 84
技術のオントロギー—イヌイトの技術複合システムを通してみる自然=文化人類学の可能性 大村 敬一 105


研究ノート

モンゴル遊牧民の食料摂取における乳・乳製品と肉・内臓の相互補完性—ドンドゴビ県のモンゴル遊牧民世帯Tの事例を通じて 平田 昌弘 128
ネパールのプロテスタントの「信仰」における「信頼」と「行為」 —カトマンドゥ盆地ラリトプル郡で観察されたプロテスタントの「信仰」

丹羽 充

144
集団から個へ—ジャマイカ、エチオピア・アフリカ黒人国際会議派ラスタファリアンの経済活動の変化について 神本 秀爾 156

資料と通信
日本文化人類学会次世代育成セミナー報告文化人類学教育特別委員会次世代育成セミナー実施運営委員会 170

書評
新井一寛・岩谷彩子・葛西賢太編 『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』 原 知章 173
山路勝彦著 『台湾タイヤル族の100年—漂流する伝統、蛇行する近代、脱植民地化への道のり』 宮岡 真央子 176
佐川徹著 『暴力と歓待の民族誌—東アフリカ牧畜社会の戦争と平和』 飯嶋 秀治 180
春日直樹編 『現実批判の人類学—新世代のエスノグラフィへ』 上村 淳志 183
小林知著 『カンボジア村落世界の再生』 加藤 敦典 187
平井京之助著 『村から工場へ—東南アジア女性の近代化経験』 成定 洋子 189


第76巻第4号(2012年3月)

<第6回日本文化人類学会賞受賞記念論文>
日本の文化人類学的研究における課題と展望—個人の研究史をとおして波平 恵美子375

<特集>自然と社会の民族誌—動物と人間の連続性
奥野 克巳391
論文
Part of the Animal —カナダ先住民カスカと動物との関係の諸相山口 未花子398
名前と存在—ボルネオ島・プナンにおける人、神霊、動物の連続性奥野 克巳417
家畜の個体性再考—河南蒙旗におけるツェタル実践シンジルト439
研究ノート
「おっちゃん、それは化け猫に化かされとっだわ」—隠岐島の猫にまつわる語りから見る人間と動物の連続性近藤 祉秋463
「自然」の二重性—神経科学の実験室における動物と研究者池田 光穂475

研究ノート
対人関係からみた子どもと場所—カンボジア・スラム再定住地区のみちにおける事例から西田 季里486

書評
木村大治著『括弧の意味論』久保 明教497
私市正年・寺田勇文・赤堀雅幸共編『グローバル化のなかの宗教—衰退・再生・変貌』(地域立脚型グローバル・スタディーズ叢書)生田 篤500
山口裕子著『歴史語りの人類学—複数の過去を生きるインドネシア東部の小地域社会』永渕 康之504
栗田和明著『アジアで出会ったアフリカ人—タンザニア人交易人の移動とコミュニティ』小川 さやか507
高倉浩樹・曽我亨著『シベリアとアフリカの遊牧民—極北と砂漠で家畜とともに暮らす』湖中 真哉510


第76巻第3号(2011年12月)

論文
戦時下の贈与—近代日本社会における国民的贈与の創出山口 睦237

<特集>身体のハイブリッド
序 身体のハイブリッド山崎 吾郎257
論文
疫学的な他者と生きる身体 —エチオピアのグラゲ社会におけるHIV/AIDSの経験西 真如267
代謝を生きる—移動性をめぐる実験的考察モハーチ・ゲルゲイ288
臓器提供に現われる身体と人格—生経済における贈与論のために山崎 吾郎308

研究ノート
タイ北部におけるモンの豚飼養の特性とその変化に関する覚え書中井 信介330

資料と通信
第2回若手懇談会・震災について語る会—日本文化人類学会の第45回研究大会若手懇談会報告比嘉 理麻・梶丸 岳・難波 美芸・永田 貴聖343

書評
石森大知著『生ける神の創造力—ソロモン諸島クリスチャン・フェローシップ教会の民族誌』関根 久雄347
林行夫編著『<境域>の実践宗教—大陸部東南アジア地域と宗教のトポロジー』長谷 千代子350
韓敏編『革命の実践と表象—現代中国への人類学的アプローチ』奈倉 京子353
池田光穂著『看護人類学入門』大谷 かがり356
中川敏著『言語ゲームが世界を創る—人類学と科学』寺戸 宏嗣360
津田浩司著『「華人性」の民族誌—体制転換期インドネシアの地方都市のフィールドから』芹澤 知広363


第76巻第2号(2011年9月)

論文
ローカル・コモンズにおける地域住民の「主体性」の所在—実践コミュニティの生成と権力関係について藤田 渡125
トルコにおけるアレヴィーの人々の社会変化—宗教的権威と社会範疇に関する人類学的考察若松 大樹146

研究ノート
「現代美術」の人類学的研究に関する一考察—インスタレーション・アートの現場から登 久希子171
モンゴル高原中央部における家畜群のコントロール—家畜群を近くに留める技法平田 昌弘182

書評
西澤治彦著『中国食事文化の研究—食をめぐる家族と社会の歴史人類学』田村 和彦196
波平恵美子・小田博志著『質的研究の方法 いのちの<現場>を読みとく』道信 良子199
永田貴聖著『トランスナショナル・フィリピン人の民族誌』関 恒樹201
長坂格著『国境を越えるフィリピン村人の民族誌—トランスナショナリズムの人類学』細田 尚美205
楊海英著『墓標なき草原—内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(上)(下)松井 健208
青柳まちこ著『国籍調査から考える人種・民族・国籍—オバマはなぜ「黒人」大統領と呼ばれるのか』陳 天璽212

第6回日本文化人類学会賞の授賞
216
第6回日本文化人類学会奨励賞の授賞217


第76巻第1号(2011年6月)


<特集>動くアッサンブラージュを人類学する
序—動くアッサンブラージュを人類学する内山田 康1
論文
仮の面と仮の胴—バリ島仮面舞踊劇にみる人とモノのアッサンブラージュ吉田 ゆか子11
モノと潜在性—タルド的視点に基づく機械の民族誌の試み森田 敦郎33
チェッラッタンマンは誰か?—関係的神性、本質的神性、変態する存在者内山田 康53

研究ノート
人間とモノの協働行為としての農の仕事—南インド、ケーララ農村における有機農業の事例を通して秋山 晶子77

資料と通信
東日本大震災によせて市野澤 潤平/木村 周平/清水 展/林 勲男89

書評
河辺俊雄著 『熱帯林の人類生態学—ギデラの暮らし・伝統文化・自然環境』木村 大治94
渡辺和之著『羊飼いの民族誌—ネパール移牧社会の資源利用と社会関係』稲村 哲也97
風戸真理著『現代モンゴル遊牧民の民族誌—ポスト社会主義を生きる』尾崎 孝宏101
飯島典子著『近代客家社会の形成—「自称」と「他称」のはざまで』小林 宏至104
石坂晋哉著『現代インドの環境思想と環境運動—ガーンディー主義と<つながりの政治>』中空 萌107
Peter Metcalf "The Life of the Longhouse: An Archaeology of Ethnicity"長谷川 悟郎 111
池谷和信編著『地球環境史からの問い—ヒトと自然の共生とは何か』石川 登114


第75巻第4号(2011年3月)

論文
「労働者」という希望—ネパール・カトマンズの家事労働従事者の現在佐藤 斉華459
「超自然的強制」が支える森林資源管理—インドネシア東部セラム島山地民の事例より笹岡 正俊483

<特集>親子のつながり—人類学における親族/家族研究再考
序 親子から生のつながりを問い直す速水 洋子515
論文
父系社会を生きる娘—台湾漢民族社会における家庭生活とその変化をめぐって植野 弘子526
転身の物語り—サン研究における「家族」再訪高田 明551
親子関係の複数性という視点からの親族研究再考—イタリアの事例とともに宇田川 妙子574

研究ノート
老親扶養からみたラオス低地農村部における親子関係の一考察岩佐 光広602

書評
金明美著『サッカーからみる日韓のナショナリティとローカリティ』真鍋 祐子614
嶋陸奥彦著『韓国社会の歴史人類学』本田 洋617
谷泰著『牧夫の誕生—羊・山羊の家畜化の開始とその展開』波佐間 逸博621
福島真人著『学習の生態学—リスク・実験・高信頼性』関谷 雄一624
松田素二著『日常人類学宣言!—生活世界の深層へ/から』小田 亮628
亀井伸孝著『森の小さな<ハンター>たち—狩猟採集民の子どもの民族誌』高田 明631


第75巻第3号(2010年12月)

<第5回日本文化人類学会賞受賞記念論文>
2050年の日本─フィリピーナの夢をめぐる人類学的想像力山下 晋司327

論文
アフリカにおける牧畜民・農耕民紛争—エチオピア西南部の事例分析藤本 武347
医療費の支払における相互扶助—ガーナ南部における健康保険の受容をめぐって浜田 明範371
北アジアにおける乳加工体系の地域多様性分析と発達史論平田 昌弘395
対面相互行為を通じたトランスダンスの出現—米国黒人ペンテコステ派教会の事例から野澤 豊一417

書評
西真如著『現代アフリカの公共性 エチオピア社会にみるコミュニティ・開発・政治実践』小國 和子440
今村薫著『砂漠に生きる女たち—カラハリ狩猟採集民の日常と儀礼』
丸山淳子著『変化を生きぬくブッシュマン—開発政策と先住民運動のはざまで』内堀 基光443
窪田幸子、野林厚志編『「先住民」とはだれか』清水 昭俊446

じんるいがくフェスティバル—2010年度第二回東北地区研究懇談会報告
高倉 浩樹452


第75巻第2号(2010年9月)

<特集>都市に(が)居座ること
序 都市に(が)居座ること—都市の人類学に向けて木村 周平181
論文
都市のテクノロジー—モンゴル、ウランバートル市の都市化とコンパクトシティ計画西垣 有192
居座る集落、腰かける人々—マレーシアの都市集落の事例より上田 達216
伸縮するバスインターチェンジ—ベトナム・ハノイでの或る都市開発事業を巡る行政機構と技術論争寺戸 宏嗣238
イスタンブル、耐震都市再開発プロジェクトの時間性——都市変容の人類学に向けて木村 周平261

書評
田辺明生著『カーストと平等性—インド社会の歴史人類学』石井 溥284
石川登著『境界の社会史——国家が所有を宣言するとき』永渕 康之287
宮崎広和著・訳『希望という方法』名和 克郎291
速水洋子著『差異とつながりの民族誌—北タイ山地カレン社会の民族とジェンダー』吉松 久美子294
松村圭一郎著『所有と分配の人類学—エチオピア農村社会の土地と富をめぐる力学』北西 功一296
河合香吏編著『集団—人類社会の進化』青木 恵理子300

会長就任にあたって
渡邊 欣雄304
第5回日本文化人類学会賞の授賞306
第5回日本文化人類学会奨励賞の授賞307


第75巻第1号(2010年6月)

論文
神霊との交換—南インドのブータ祭祀における慣習的制度、近代法、社会的エイジェンシー石井 美保1
「明日の私」を葬る—エチオピアの葬儀講仲間がつくりだす応答的な関係性西 真如27

<特集>「グローバリゼーション」を越えて
序—「グローバリゼーション」を人類学的に乗り越えるために湖中 真哉48
論文
ブリコラージュ実践の共同体—マダガスカル、ヴェズ漁村におけるグローバルなフローの流用飯田 卓60
「深い」多元性と文化相対主義川田 牧人81
自然=文化相対主義に向けて—イヌイトの先住民運動からみるグローバリゼーションの未来大村 敬一101
プライマリー・グローバリゼーション—もうひとつのグローバリゼーションに関する人類学的試論床呂 郁哉120
コメント
コメント1竹沢 尚一郎138
コメント2—「単体主義」の可能性高倉 浩樹142

研究ノート
難民の人類学的研究にむけて—難民キャンプの事例を用いて久保 忠行146

書評
織田竜也・深田淳太郎共編『経済からの脱出』(シリーズ 来たるべき人類学②)梅屋 潔160
田中二郎著『ブッシュマン、永遠に。変容を迫られるアフリカの狩猟採集民』曽我 亨163
橘健一著『<他者/自己>表象の民族誌——ネパール先住民チェパンのミクロ存在論』山本 達也164
片岡樹著『タイ山地一神教徒の民族誌−キリスト教徒ラフの国家・民族・文化』馬場 雄司168


第74巻第4号(2010年3月)

<特集>人類史の空間論的再構築—移動、出会い、コンフリクト
序—人類史再構築の必要性今村 薫513
論文
人類史の分かれ目—旧人ネアンデルタールと新人サピエンスの交替劇赤澤 威517
人類の進化と北方適応煎本 孝541
人類の生活環境としてのアフリカ熱帯雨林—歴史生態学的視点から市川 光雄566
アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明の4類型—乾燥地地域の人類文明史的考察嶋田 義仁585

書評
内堀基光編『資源と人間』(資源人類学第1巻)田辺 繁治613
岸上伸啓著『カナダ・イヌイットの食文化と社会変化』大村 敬一616
石塚道子・田沼幸子・冨山一郎編『ポスト・ユートピアの人類学』織田 竜也619
山田孝子著『ラダック—西チベットにおける病いと治療の民族誌』宮坂 清622
末成道男編『ベトナム文化人類学文献解題—日本からの視点』谷口 裕久625


第74巻第3号(2009年12月)

<第4回日本文化人類学会賞受賞記念論文>
マクロとミクロに引き裂かれてあるものとしての(私の)民族学/人類学内堀 基光373

論文
トランスナショナルな社会空間における差異と共同性—フィリピン人ミドルクラス・アイデンティティに関する考察関 恒樹390

<特集>メタモルフォーシスの人類学
序—メタモルフォーシスの人類学石井 美保414
論文
「回復」を希求する—インド農村社会における不妊と「流産」の経験松尾 瑞穂423
語りえない夢のゆくえと自己変容—インドの移動民社会を事例として岩谷 彩子441
不確かな他者として振舞う技法—コモロにおける精霊憑依と自己変容花渕 馨也459

研究ノート
老いを歩む—フィンランドの年金生活者達の合宿にみる身体変容への展望高橋 絵里香478

書評
松井健編『自然の資源化』(資源人類学第6巻)佐藤 靖明489
菅原和孝編『身体資源の共有』(資源人類学第9巻)高橋 絵里香492
岩谷彩子著『夢とミメーシスの人類学—インドを生き抜く商業移動民ヴァギリ』箭内 匡496
岡恵介著『視えざる森の暮らし—北上山地・村の民俗生態史』池谷 和信498

大塚和夫氏追悼
502


第74巻第2号(2009年9月)

論文
「アール・ブリュット/アウトサイダー・アート」をこえて—現代日本における障害のある人びとの芸術活動から中谷 和人215
ハイブリッド(複合)文化としての北米先住民族の条約—イロクォイ連合国とカナダ平原地帯諸民族の事例からのアプローチ松井 健一238

<特集>ネオリベラリズムの時代と人類学的営為
序—現代世界における人類学の課題松田 素二262
論文
「二重社会」という視点とネオリベラリズム—生存のための日常的実践小田 亮272
批判と連帯—日韓間の歴史対話に関する省察板垣 竜太293
ネオリベラルな現在(いま)において人類学のできること青木 恵理子316

書評
山下晋司編『資源化する文化』(資源人類学第2巻)市野澤 潤平338
小川了編『躍動する小生産物』(資源人類学第4巻)金子 守恵341
印東道子編『生態資源と象徴化』(資源人類学第7巻)小野 林太郎343
椎野若菜著『結婚と死をめぐる女の民族誌—ケニア・ルオ社会の寡婦が男を選ぶとき』速水 洋子347
松本尚之著『アフリカの王を生み出す人々—ポスト植民地時代の「首長位の復活」と非集権制社会』溝口 大助350

第4回日本文化人類学会賞の授賞
354
第4回日本文化人類学会奨励賞の授賞355


第74巻第1号(2009年6月)

論文
開かれゆくアンデス牧民社会—ペルー南部高地ワイリャワイリャ村を事例として鳥塚 あゆち1
アイデンティティ・ポリティクスとしてのツーリズム—中国東北部における韓国のパッケージ・ツアーの事例から真鍋 祐子26
トルコの定期市における売り手−買い手関係—顧客関係の固定化をめぐって田村 うらら48

研究ノート
「所有の主体」生成のプロセスをめぐる人類学的試論—権利から関係性へ中空 萌73

<特集>多文化共生と文化人類学
序—多文化共生の現状と課題竹沢 泰子86
論文
多文化教育のカリキュラム開発と文化人類学—学校における多文化共生の実践にむけて森茂 岳雄96
関東郊外からムスリムとしての居場所を築く—パキスタン人男性と日本人女性の国際結婚の事例から工藤 正子116
「多文化共生」を内破する実践─東京都新宿区・大久保地区の「共住懇」の事例より原 知章136

研究ノート
中華学校に通う日本の子どもたち陳 天璽156
多文化共生の実践に向けて—「在日コリアン」の子供の「民族」意識形成過程に関する事例分析の再考を中心に金 明美176

書評
クリスチャン・ダニエルス編『知識資源の陰と陽』(資源人類学第3巻)田所 聖志190
春日直樹編『貨幣と資源』(資源人類学第5巻)深田 淳太郎193
秋道智彌編『資源とコモンズ』(資源人類学第8巻)葉山 茂197


第73巻第4号(2009年3月)

論文
グリーン・ネオリベラリズムとエイジェンシーの共同体—フィリピンの海域資源管理の事例から関 恒樹477

<特集>アカウンタビリティ
序—「アカウンタビリティ」と目に見える世界の探求森田 敦郎499
論文
<関係>を可視化する—エチオピア農村社会における共同性のリアリティ松村 圭一郎510
つながる実践と区切り出される意味—パプアニューギニア、トーライ社会の葬式における貝貨の使い方深田 淳太郎535
デザイン、能力、ヒエラルキー—タイ土着の機械技術における人とモノの目に見える秩序森田 敦郎560
不確実性のゆくえ—フランスにおける連帯経済の事例を通して中川 理586

書評
田辺繁治著『ケアのコミュニティ—北タイのエイズ自助グループが切り開くもの』谷 泰610
阿部年晴・小田亮・近藤英俊編『呪術化するモダニティ—現代アフリカの宗教的実践から』石井 美保613
スザンナ・M・ホフマン、アンソニー・オリヴァー=スミス編/若林佳史訳『災害の人類学—カタストロフィと文化』木村 周平617
飯田卓著『海を生きる技術と知識の民族誌—マダガスカル漁撈社会の生態人類学』卯田 宗平620
費孝通編著/西澤治彦、塚田誠之、曽士才、菊池秀明、吉開将人共訳『中華民族の多元一体構造』上水流 久彦 624


第73巻第3号(2008年12月)

<学会賞受賞記念論文>
コミュニティを想像する—人類学的省察田辺 繁治289

論文
「女は行かなければならない」—婚姻規範への(不)服従、ネパール・ヨルモ女性の語りから佐藤 斉華309
「トリプル・アウトサイダー」を生きる—横須賀米海軍男性と結婚した日本人妻たちの民族誌宮西 香穂里332

<特集>先住民と〈国民の歴史〉
先住民と〈国民の歴史〉のための序論清水 昭俊354
論文
先住民の権利と国家および国民の条件清水 昭俊363
<土地の人>と<条約の人>—ニュージーランド「国民」形成におけるワイタンギ条約の意義内藤 暁子380
「オーストラリアの長い沈黙」ののち—歴史とアボリジニのエイジェンシー窪田 幸子400
ジェノサイドへの序曲—内モンゴルと中国文化大革命楊 海英419

書評
竹沢尚一郎著『人類学的思考の歴史』太田 好信454
阿久津昌三著『アフリカの王権と祭祀—統治と権力の民族学』佐久間 寛457
鷹木恵子著『マイクロクレジットの文化人類学—中東・北アフリカにおける金融の民主化にむけて』野元 美佐460
宇田川妙子・中谷文美編『ジェンダー人類学を読む』李 善姫463


第73巻第2号(2008年9月)

論文
自立のストラテジー—フィンランドの独居高齢者と在宅介護システムにみる個人・社会・福祉高橋 絵里香133

<特集>芸術と人類学
序—「芸術」辺りと人類学古谷 嘉章155
論文
芸術作品の仕事—ジェルの反美学的アブダクションと、デュシャンの分配されたパーソン内山田 康158
イメージの人類学のための理論的素描—民族誌映像を通じての「科学」と「芸術」箭内 匡180
感性という領域への接近—ドイツ美学の問題提起から感性を扱う民族誌へ佐々木 重洋200
土器の生涯—土器片・レプリカ・触知性古谷 嘉章221

研究ノート
「信仰」の価値—聖地の遺産化と審美の基準をめぐる力学門田 岳久241

書評
阿部年晴・綾部真雄・新屋重彦編『辺縁のアジア—<ケガレ>が問いかけるもの』関根 康正254
河合香吏編『生きる場の人類学—土地と自然の認識・実践・表象過程』田中 雅一259
谷正人著『イラン音楽 声の文化と即興』梶丸 岳263

会長就任にあたって
山本 真鳥267
第3回日本文化人類学会賞の授賞・第3回日本文化人類学会奨励賞の授賞269
研究大会運営検討委員会からのお知らせ270


第73巻第1号(2008年6月)

論文
生業環境の変化への二重の対応—中国・ポーヤン湖における鵜飼い漁師たちの事例から卯田 宗平1
薬剤の流通をめぐるポリティクス—ガーナ南部における薬剤政策とケミカルセラー浜田 明範25
ダラムサラで構築される「チベット文化」—チベット歌劇ラモと祭典ショトンをめぐる記述と言説の考察を通して山本 達也49
差異を身につける—糖尿病薬の使用にみる人間と科学技術の相関性モハーチ・ゲルゲイ70

研究ノート
世界遺産と文化保存のパラドックス—ラオスのユネスコ世界遺産、ルアンパバーンとワット・プーの事例から中田 友子93

書評
Kazuyasu Ochiai (coordinador) "El mundo maya: Mirada japonesa"関 雄二107
新江利彦著『ベトナムの少数民族定住政策史』樫永 真佐夫109
高橋孝代著『境界性の人類学—重層する沖永良部島民のアイデンティティ—』菅沼 文乃113
石井洋子著『開発フロンティアの民族誌—東アフリカ・灌漑計画のなかに生きる人びと』竹村 和朗115
湖中真哉著『牧畜二重経済の人類学〜ケニア・サンブルの民族誌的研究』松田 凡118


第72巻第4号(2008年3月)

論文
ポスト・ユートピア時代のインドネシア国家とフローレス伝統村の変容青木 恵理子445
コスモスからピュシスへ—人類学的近代論の試み中川 敏466
クレオール文化空間の脱植民地戦略—マルティニクにおける相反的な空間認識をめぐって石塚 道子485

研究ノート
ルガンヴィル—アメリカ軍の建設したメラネシアのキャンプ都市吉岡 政徳504

資料と通信
アフリカで人類学的研究の可能性をさぐる—国際共同シンポジウム「〈自己/他者〉に関わる諸問題の再文脈化:アフリカにおける人間学に向けて」白石 壮一郎519

書評
関根康正著『宗教紛争と差別の人類学—現代インドで<周辺>を<境界>に読み替える』山上 亜紀524
田中雅一・松田素二編『ミクロ人類学の実践—エイジェンシー/ネットワーク/身体』名和 克郎527
石井美保著『精霊たちのフロンティア—ガーナ南部の開拓移民社会における<超常現象>の民族誌』東 賢太朗530
銭丹霞著『中国江南農村の神・鬼・祖先—浙江省尼寺の人類学的研究』川口 幸大533
松山利夫著『ブラックフェラウェイ—オーストラリア先住民アボリジナルの選択』内藤 暁子537


第72巻第3号(2007年12月)

論文
興奮を生み出し制御する—秋田県角館、曳山行事の存続のメカニズム小西 賢吾303
兄弟の結合と家計戦術—近代沖縄における屋取の展開と世帯玉城 毅326

<特集>人類学的フィールドワークとは何か
序論—人類学的フィールドワークの外延と展望富沢 寿勇345
論文
対話するフィールド、協働するフィールド—開発援助と人類学の「実践」スタイル関根 久雄361
愚直なエスノグラフィー—著作権・無形文化遺産・ボランティア木村 秀雄383

研究ノート
NGOによるフィールドスタディの現場から—大衆化するフィールドワーク小長谷 有紀402

資料と通信
社会調査士資格への日本文化人類学会の対応の経緯と展望鏡味 治也412

書評
菅原和孝編『フィールドワークへの挑戦—<実践>人類学入門』芹澤 知広417
原尻英樹著『フィールドワーク教育入門—コミュニケーション力の育成』箕浦 康子421
井上真編『躍動するフィールドワーク—研究と実践をつなぐ』鈴木 紀423
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・京都大学東南アジア研究所編『京大式 フィールドワーク入門』石井 洋子425
杉島敬志・中村潔編『現代インドネシアの地方社会 ミクロロジーのアプローチ』加藤 剛427
印東道子編『環境と資源利用の人類学—西太平洋諸島の生活と文化』口蔵 幸雄432
高知尾仁著『表象のエチオピア−光の時代に−』宮脇 幸生435


第72巻第2号(2007年9月)

論文
所有と分配の力学—エチオピア西南部・農村社会の事例から松村 圭一郎141
書道界の制度と力学—現代日本の書道会と展覧会活動についての考察大野 加奈子165

<特集>大学−地域連携時代の文化人類学
序—at homeのフィールドから杉本 星子188
論文
地域で学ぶ、地域でつなぐ—宇治市における文化人類学的活動と教育の実践森 正美201
祭礼調査からみる大学と地域、そして人類学の役割は?—明石市稲爪神社の秋祭り調査を事例に五十嵐 真子221
人類学 "at home town" —地域社会への貢献をめぐる日本の人類学の諸問題岡田 浩樹241

資料と通信
漢人イトコ婚研究の覚書—横山廣子氏の書評に応える秦 兆雄269

書評
矢野秀武著『現代タイにおける仏教運動—タンマガーイ式瞑想とタイ社会の変容』福島 真人274
山路勝彦著『近代日本の海外学術調査』(日本史リブレット64)宮岡 真央子275
西井凉子・田辺繁治(編)『社会空間の人類学—マテリアリティ・主体・モダニティ』佐藤 知久278
青山和佳著『貧困の民族誌—フィリピン・ダバオ市のサマの生活』床呂 郁哉281

著作権についてのお知らせ
286
第2回日本文化人類学会奨励賞の授賞288


第72巻第1号(2007年6月)

論文
アダット(慣習)とクブダヤアン(文化)—インドネシア・ランプン州プビアン人社会における婚姻儀礼の事例を中心と して金子 正徳1
作物資源の人類学—エチオピア西南部の少数民族における多様な作物の動態藤本 武21
略奪婚—ティモール南テトゥン社会における暴力と和解に関する一考察辰巳 慎太郎44
鍛冶職人から展望する社会—エチオピア西南部における鍛冶職人の生存戦略村橋 勲68
消え去りゆく嫁盗り婚の現在—ヒマラヤ山地民の言説実践における「近代」との交叉をめぐって佐藤 斉華95

書評
中沢新一著『芸術人類学』太田 好信118
飯田淳子著『タイ・マッサージの民族誌—「タイ式医療」生成過程における身体と実践』板垣 明美120
伊藤幹治著『日本人の人類学的自画像—柳田国男と日本文化論再考』山口 睦124
劉正愛著『民族生成の歴史人類学—満州・旗人・満族』西澤 治彦128


第71巻第4号(2007年3月)

論文
「ラフであること」の本質?—東南アジア大陸部山地民の民族帰属認知における柔軟性をめぐって片岡 樹437
ポスト・ソビエト時代のウズベキスタンの「乞食」—都市下位文化におけるイスラームと共同性和崎 聖日458

<特集>科学技術の人類学
序—科学技術の人類学へ向けて宮武 公夫483
論文
機械と社会集団の相互構成—タイにおける農業機械技術の発展と職業集団の形成森田 敦郎491
媒介としてのテクノロジー—エンターテインメント・ロボット「アイボ」の開発と受容の過程から久保 明教518
地震学・実践・ネットワーク—トルコにおける地震観測の人類学的観察木村 周平540

書評
菅豊著『川は誰のものか 人と環境の民俗学』岸上 伸啓560
松井健著『柳宗悦と民藝の現在』(歴史文化ライブラリー 196)小川 了563
Yamashita, Shinji, Joseph Bosco and J. S. Eades (eds.) "The Making of Anthropology in East and Southeast Asia"青木 恵理子565
小池誠著『東インドネシアの家社会—スンバの親族と儀礼』中川 敏569
坂野徹著『帝国日本と人類学者 1884‐1952 年』中生 勝美572
宮脇幸生著『辺境の想像力—エチオピア国家支配に抗する少数民族ホール』田川 玄577
綾部恒雄監修、松井健、堀内正樹編『講座世界の先住民族—ファーストピープルの現在—04中東』佐藤 紀子580
言説が数億の女を殺す—内山田氏の書評に応える田中 雅一582

新刊紹介


第71巻第3号(2006年12月)

<学会賞受賞記念論文>
文化人類学とはなにか川田 順造311

論文
暗い未来に抗して—トルコ・イスタンブルにおける地震とコミュニティ木村 周平347
植民地経験とチーフの土着化—非集権的なイボ社会の権威者をめぐって松本 尚之368

研究ノート
パプアニューギニア・トーライ社会における自生通貨と法定通貨の共存の様態深田 淳太郎391

書評
奥野克巳著『帝国医療と人類学』浜田 明範405
波平恵美子著『日本人の死のかたち—伝統儀礼から靖国まで』藤山 正二郎408
泰兆雄著『中国湖北農村の家族・宗族・婚姻』横山 廣子411
渋谷努著『国境を越える名誉と家族—フランス在住モロッコ移民をめぐる「多現場」民族誌—』堀内 正樹415
上杉富之編『現代生殖医療—社会科学からのアプローチ』鈴木 七美418

新刊紹介


第71巻第2号(2006年9月)

論文
市場経済化と牧畜的消費様式—ケニア中北部・サンブルの世帯経済の事例湖中 真哉169

<特集>日本のネイティヴ人類学
序:ネイティヴ人類学の射程山本 真鳥196
論文
日本人-ネイティヴ-人類学徒—劣等感も選良意識も超えた自文化研究に向けて加藤 恵津子202
“ネイティヴの人類学”のもう一つの可能性—黒田俊雄と神仏習合の人類学的理解から中西 裕二221
日本人が英語で日本を語るとき—「民族誌の三者構造」における読者/聴衆について桑山 敬己243

書評
花渕馨也著『精霊の子供—コモロ諸島における憑依の民族誌』池田 光穂266
窪田幸子著『アボリジニ社会のジェンダー人類学—先住民・女性・社会変化』田中 雅一269
田川泉著『公的記憶をめぐる博物館の政治性—アメリカ・ハートランドの民族誌』海野 るみ273
竹沢泰子著『人種概念の普遍性を問う—西洋的パラダイムを越えて』野林 厚志276
青木恵理子著『生を織りなすポエティクス—インドネシア・フローレス島における詩的語りの人類学』小池 誠280
川野明正著『中国の〈憑きもの〉—華南地方の蠱毒と呪術的伝承』志賀 市子283

新刊紹介

会長就任にあたって
須藤 健一291


第71巻第1号(2006年6月)

論文
親密な他者—フィリピン地方都市の呪医実践より東 賢太朗1

<特集>中間集団の問題系
序—中間集団の問題系真島 一郎22
論文
中間集団論—社会的なるものの起点から回帰へ真島 一郎24
統治的結社とイデオロギー—コートディヴォワールにおける差別的排除的実践に関する考察佐藤 章50
現代社会のアソシエーション的ユートピア—フランスとフィリピンにおける協同組合の社会的地位三浦 敦72
デモクラシーと生モラル政治—中間集団の現代的可能性に関する一考察田辺 明生94

研究ノート
現代上座部仏教社会の「アラハン」—タイにおける聖人化のプロセス藏本 龍介119

書評
多和田裕司著『マレー・イスラームの人類学』信田 敏宏134
吉田竹也著『バリ宗教と人類学—解釈学的認識の冒険』池上 重弘137
清水郁郎著『家屋とひとの民族誌—北タイ山地民アカと住まいの相互構築誌』樫永 真佐夫141
信田敏宏著『周縁を生きる人びと—オラン・アスリの開発とイスラーム化』(地域研究叢書15)長津 一史144
菅原氏の書評への補足川田 順造147

新刊紹介


第70巻第4号(2006年3月)

論文
「民族問題」の不在—あるいは「琉球処分」の歴史/人類学與那覇 潤451

<特集>表象・介入・実践—人類学者と現地とのかかわり
序に代えて速水 洋子473
論文
博物館の公開性をめぐる論理のアポリア—アボリジニの実践と調査者の関与窪田 幸子484
都市イヌイットのコミュニティー形成運動—人類学的実践の限界と可能性岸上 伸啓505

研究ノート
フィールドでの「濃いかかわり」とその落とし穴—西表島での経験から安渓 遊地 528

資料と通信
漁民レブーのラップ信仰—セネガル、ヨフの家族祭祀盛 弘仁543

書評
吉岡政徳著『反・ポストコロニアル人類学—ポストコロニアルを生きるメラネシア』風間 計博550
楊海英著『チンギス・ハーン祭祀—試みとしての歴史人類学的再構成』原山 煌555
野元美佐著『アフリカ都市の民族誌—カメルーンの「商人」バミレケのカネと故郷』鈴木 裕之558
奥野克巳著『「精霊の仕業」と「人の仕業」 —ボルネオ島カリス社会における災い解釈と対処法』津上 誠561

新刊紹介


第70巻第3号(2005年12月)

論文
空白を埋める—普通学級就学運動における「障害」をめぐる生き方の生成猪瀬 浩平309

<特集>「介護」の人類学
特集の序文 藤田 真理子327
論文
乳がん患者会のリーダーにおける人をケアすることの意味八木 彌生335
柿の葉を摘む暮らし—ノーマライゼーションを超えて 鈴木 七美355
バリアフリーからフリーバリアへ—近代日本を照射する視覚障害者たちの“見果てぬ夢” 広瀬 浩二郎379

研究ノート
災害の人類学的研究に向けて木村 周平399

書評
嶋田氏の書評に対して坂井 信三410
保苅実著『ラディカル・オーラル・ヒストリー—オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』飯嶋 秀治415
秋道智彌著『コモンズの人類学—文化・歴史・生態』菅 豊418
川田順造著『人類学的認識論のために』菅原 和孝422
山路勝彦著『台湾の植民地統治—<無主の野蛮人>という言説の展開—』植野 弘子426
藤井麻湖著『モンゴル英雄叙事詩の構造研究』荻原 眞子429
浮ヶ谷幸代著『病気だけど病気ではない——糖尿病とともに生きる生活世界』星野 晋433

新刊紹介


第70巻第2号(2005年9月)

論文
アーユルヴェーダは誰のものか—「伝統」医療・知的財産権・国家加瀬澤 雅人157

<特集>文化のリソースとしての身体
「身体資源」とは何か—特集への序菅原 和孝177
論文
民俗芸能の継承における身体資源の再配分—西浦田楽からの試論菅原 和孝・藤田 隆則・細馬 宏道182
身体技法への視角—モース「身体技法論」の再読と武術教室の事例研究を通して倉島 哲206
現代化とシャマニズムの実践にみる身体—ラダッキとサハの事例より山田 孝子226
差異の反復—カナダ・イヌイトの実践知にみる記憶と身体大村 敬一 247

書評
寺嶋秀明編『平等と不平等をめぐる人類学的研究』関根 康正271
中田友子著『南ラオス村落社会の民族誌—民族混住状況下の「連帯」と闘争』西本 陽一276
姫野翠著『異界へのメッセンジャー』中原 ゆかり279
王向華著『友情と私利—香港一日系スーパーの人類学的研究』王 柳蘭281
桑山敬己著 "Native Anthropology: The Japanese Challenge to Western Academic Hegemony"沼崎 一郎285

新刊紹介


第70巻第1号(2005年6月)

論文
野鍛冶の生存戦略—秋田県における現在の野鍛治の生存に向けた対応齋藤 貴之1
もの/語りとしての運命—ガーナの卜占アファにおける呪術的世界の構成石井 美保21
伝統文化の真正性と歴史認識—ヴァヌアツ・アネイチュム島におけるネテグと土地をめぐって福井 栄二郎47
布のつくるヒンドゥーとムスリムの社会関係—インド、グジャラート州カッチ県のオダニー(被り布)の事例より金谷 美和77

研究ノート
いま、虫地蔵祭りをすること—水俣地蔵をとおした伝統の継続小尾 章子99

書評
速水洋子著 Between Hills and Plains: Power and Practice in Socio-Religious Dynamics among Karen関本 照夫114
川橋範子・黒木雅子著『混在するめぐみ—ポストコロニアル時代の宗教とフェミニズム』鷹木 恵子116
渡辺靖著『アフター・アメリカ』竹沢 泰子119
富澤寿勇著『王権儀礼と国家—現代マレー社会における政治文化の範型』宮崎 恒二123
金子毅著『八幡製鉄所・職工たちの社会誌』山田 慎也127
田中雅一著『供犠世界の変貌—南アジアの歴史人類学 』内山田 康129
伊藤正子著『エスニシティ<創生>と国民国家ベトナム—中越国境地域タイー族・ヌン族の近代』長谷川 清134

新刊紹介