日本文化人類学会第25期会長 小泉潤二
東北地方太平洋沖地震の発生から2年余りの時が流れました。各地でたくましく響く復興の槌音を耳にすると同時に、いまだ東日本大震災の爪痕は癒えず、なお復興への道半ばに日々を過ごされている方も数多くおられるかと存じます。日本文化人類学会を代表して、会員、会員の御家族御友人、そして被災されたすべての方々に、心からの共感を示すとともに、学会としてなしうることのすべてに、心を込めて取り組みたいと存じます。
震災後、多くの会員がそれぞれの立場で復興に向けて前向きな努力を重ねてきたことを、学会は誇りに思います。被災会員の復興への努力はもちろん、様々なボランティア活動への従事や、災害人類学などの観点からの積極的な取り組みがこれまでなされてきました。学会はこれらの活動に可能な限りの支援を行い、また今後も支援を継続したいと考えております。
また学会は、この3カ年にわたり東日本大震災の被災会員に対する会費徴収特例措置を実施してまいりました。そうした支援の経験を経て現在は、東日本大震災に限らず、災害や貧困、差別のなかにあってもなお人類学の可能性を探究して止まない会員の意欲に応えられるよう、より総合的な取り組みについて検討を進めております。研究大会会場における災害時対応などもさらに明確化していく所存です。
災害と共に生きていかざるをえないこの国にあって、人類学には私たちの暮らしに貢献することのできる大きな可能性があると私たちは信じます。その可能性の実現に向けて全力をふるうために、会員も会員でない皆様も、会務へのご理解とご協力のほどをお願いできれば幸甚に存じます。
日本文化人類学会第24期会長 渡邊欣雄
このたびの東北関東大震災の犠牲者に深い哀悼の意を表するとともに、被災された本学会会員、そしてご家族のみなさまには、こころからお見舞い申し上げます。被災されたみなさまの日々の生活が一刻も早く復旧することを衷心よりお祈り申しあげます。
本学会では、第一に会員のみなさまの従来の日常的研究活動の維持を支援すべく、学会サーバ上でのホームページの暫定運用を開始いたしました(詳しくは、下記の「情報化委員会からのお知らせ」をご覧ください)。また東京では相変わらず計画停電や公共交通機関の規制・運休が続き、それにともなって学会事務局の定常的な運営にも支障をきたしておりますが、会員の方々へのサービス提供に滞りがないよう鋭意努力しているところです。
第二に、本学会事務局では、被災された会員の現況に関する情報を求めております。いただいた情報によりこのたびの震災で被災された会員各位の現状を本学会共通の認識として共有し、被災会員の方々への今後の支援対応の礎にさせていただきたいと考えています。下記学会事務局宛てに、逐次情報をお寄せ下さいますよう、お願い申し上げます。
第三に、本学会として、大規模災害下において会員各位はもとより広く社会に対してどのような支援と発信をなすべきかについて、ご意見を求めたいと考えています。頂戴したご意見は、喫緊の支援対応はもとより、今後のさまざまな学会活動に活かしてまいりたいと考えています。
併せて、今般、本学会の大震災後のみなさまに対する情報提供と、被災された会員のみなさまに対する対応がたいへん遅れましたこと、ここに深くお詫びいたします。今後とも、会員の研究教育生活が旧に復するまでみなさまからの情報提供や意見を求める方針であり、本学会ができうる被災された会員への活動支援対応を、ご意見をもとに検討・策定していく方針でおります。どうかみなさまの深いご理解をお願いいたします。